ここでは、心臓の基本的なしくみやはたらきについて説明します。
心臓のしくみとはたらき
正常な心臓では、心房(しんぼう)と心室(しんしつ)がペアとなって左右に1つずつ分かれており、酸素を効率よく全身の臓器に送っています。
また、左右の心室の出口と入口にはそれぞれ弁がついており、心室の中に入った血液が逆流しないようになっています。
正常な心臓1)
心臓の左側のはたらき(左心房(さしんぼう)、左心室(さしんしつ)、大動脈(だいどうみゃく))
肺で酸素をたくさん取り込んだ酸素の多い血液は、大動脈を通じて全身に送られます。このとき、左心房は肺から戻ってきた血液を受け止めるタンク、左心室は左心房から流れてきた血液を全身に送り出すポンプの役目を果たします。
心臓の右側のはたらき(右心房(うしんぼう)、右心室(うしんしつ)、肺動脈(はいどうみゃく))
全身から戻ってきた酸素の少ない血液は、肺動脈を通じて肺に送られます。このとき、右心房は全身から戻ってきた血液を受け止めるタンク、右心室は右心房から流れてきた血液を肺に送り出すポンプの役目を果たします。
中隔(ちゅうかく)のはたらき
左右の心房の間には心房中隔(しんぼうちゅうかく)、左右の心室の間には心室中隔(しんしつちゅうかく)とよばれる、中(なか)を隔(へだ)てる「壁」があり、酸素の多い左側の血液と、酸素の少ない右側の血液が混ざらないようになっています。
リズミカルな動き
右心房にある洞結節(どうけっせつ)というところで電気が起こります。その電気は決まった通り道(伝導路)を通って心房と心室へ伝わり、心房―心室の順番で、規則正しくリズミカルに心臓を収縮させます。この電気の起こり方や伝わり方に異常があると、規則正しいリズミカルな心臓の動きが乱れて不整脈になります。
- 1)
一般社団法人 日本新生児成育医学会 編. 新生児学テキスト. メディカ出版. 平成30年12月第1版