ここでは、赤ちゃんとの接し方や、成長を見守っていくうえでの心がまえなどについて紹介します。
赤ちゃんの健康に気を配りましょう
赤ちゃんの体調には十分に気を配りましょう。日頃から赤ちゃんの状態や様子を注意深くみていると、少しの変化にも気がつくことができ、感染などによる異常を早く発見することができます。
以下のポイントに注意しましょう。
チェックポイント
おしっこはきちんと出ているか? 回数や量は?
うんちはきちんと出ているか? 回数や量、性状は?
ミルクや食事はしっかりとれているか?
体重はどれくらい? 増減は?
よく眠っているか? 睡眠時間は?
熱はないか?
手足は冷たくなっていないか?
唇や手足の色が悪くなっていないか?(チアノーゼ)
呼吸が速くないか? 苦しそうではないか?
のどの状態は?
機嫌は良いか?
元気はあるか?
気になる症状がありましたら、医師に相談しましょう。
ほかの赤ちゃんと比べず、じっくり成長を見守りましょう
心疾患をもって生まれてきた赤ちゃんは、機嫌が悪く、ぐずってばかりでお母さんの手がかかったり、ミルクや食事が思うようにとれず、体重の増え方が悪くなることがあります。
子どもの健やかな成長を願うのは、お母さん、お父さんの気持ちとして当然のことでしょう。でも、ほかの子と比べて必要以上に不安に思ったり、焦ったりしないでください。
赤ちゃんは、自分のペース、心疾患に合ったペースで、一生懸命成長しています。ミルクの飲みが悪いときは、ゲップがちゃんと出ているか必ずチェックしてみてください。
赤ちゃんの成長を確認するために、月に1~2回は体重を測定して記録するとよいでしょう。また、体重の増え方が悪い赤ちゃんでも、お薬や手術の治療によって、多くは健康な赤ちゃんと同じ身長、体重に追いつきます。
気になることがありましたら、医師や看護師、助産師など医療従事者に相談しましょう。
病気について理解しましょう
心疾患をもって生まれてきた赤ちゃんを育てるためには、「病気とどのようにつきあうか」ということがとても重要です。
そのためには、赤ちゃんの病気について、よく理解することが大切です。主治医の説明をよく聞いて、わからないことや不安なことがあればきちんと質問しましょう。
赤ちゃんの心臓の状態を理解する
日常生活で現れる症状の理解に役立ちます。
必要な治療を把握する
定期的な通院や服薬など、必要な治療について把握しておきましょう。
将来、手術が必要か確認する
まず手術が必要か必要でないか、そしてもし必要なら手術の方法やタイミング、回数など、きちんと理解できるまで、よく説明してもらいましょう。
将来に向けて
赤ちゃんが成長するとともに、さまざまな問題が出てくるかもしれません。そして、ある程度の時期になれば、自分の心の葛藤を自身で解決したいと思い、病気のことを詳しく聞きたがることでしょう。
幼稚園や小学校に入ってからは、運動制限のため、お友達と思いっきり遊んだり、体育やスポーツをすることができず、疎外感を感じることがあるかもしれません。
思春期には、手術痕を気にしたり、心疾患をもって生まれた自分に疑問を抱き、反抗的になるときもあるかもしれません。
また、お子さんが社会に出る際には、就職や結婚、女性であれば出産などの問題に直面するかもしれません。
お母さん、お父さんは、こうした問題を事前に予想し、お子さんの成長に合わせてどのように支えてあげることができるか、準備しておくことが大切です。一番重要なことは、お母さん、お父さんがお子さんのことをどれだけ理解し、愛しているか、そして一緒に悩み闘っていることが、お子さんにどれだけ伝わっているかです。
お母さん、お父さんも、お子さんと一緒に成長していくのです。決して焦らないでください。